プライベートプロジェクトの「DRACO」を立ち上げてわかった、プログラミング学習のコツ~GM角さんインタビュー【2/2】
この記事の目次
「プログラミング学習のコツはやっぱり、モノを作ること」って話(今回の記事)
- プライベートプロジェクトの「DRACO」を立ち上げてわかった、プログラミング学習のコツ
- 「愛される人、愛せるチームと一緒に目標に向かって頑張ること」
角さんインタビューの後半です。
前半では、美大卒業からテクニカルディレクターになるまでの経緯を伺いました。
後半の本記事では、モノづくりに対する角さんの考えを知りたいと思い、角さん自ら立ち上げた海外ドラマ紹介サイト「DRACO」のリリース秘話、またそこから学んだ「プログラムを勉強するコツ」を話してもらいました。
プライベートプロジェクトの「DRACO」を立ち上げてわかった、プログラミング学習のコツ
吉川:角さんが立ち上げたWebサイト「DRACO(ドラコ)」はリリース何年くらいなんですか?
角:7?8年目ですね。インテリ入って2年目くらいに立ち上げたので。でも個人的にはもう少し成果に結びついてほしいなぁと思っているんですよ。(笑)それこそ(ライター吉川が運営する)「Boy.」さんなんかよりショボいですよ・・・。(笑)
吉川:いやいや(笑)。「DRACO」は全然「Boy.」とタイプが違いますし‥‥。僕らは思いつくままに、記事を量産していればいいので。(笑)
角:(笑)それでも、成果を出すってことは仕事でも大切じゃないですか。僕はWebのプロですから、自分のサイトでも成果をちゃんと出したいんですよね。
アフィリエイト目的で立ち上げたサイトで100万の売り上げがありますって人も、やっぱりすごいと思うんですよね。役に立つコンテンツが求められている時代だとは言えど、ね。結果を出すための継続的な努力ができているということだと思うし。
吉川:まぁ確かにそうかもしれないですね。結果にコミットすることは何においても重要だと思います。もし時間が許されるのであれば、「DRACO」をもっとこうしたい、なんていう理想はあるんですか?
角:そうですねぇ?。ビジネス視点で言えば、せっかく立ち上げたサイトだからこそマネタイズしたいという気持ちはあります。
でもそれ以上に、単純に自分が作りたい、やりたいと思えるモノづくりを貫くのも悪くないと思っているのですよね。その方がモノづくりに熱量が生まれるし、楽しいと思います。
だから、最初からマネタイズ目的で作るサイトはなかなかうまくいかなかったりしますよね。僕は、海外ドラマ好きのユーザーにとって本当に役に立つものを提供することに集中して作っていきたいですね。今はお陰様で仕事が忙しいので、あまり没頭できませんが。(笑)
吉川:そうですね。メディアの立ち上げ期って、PVも全然取れないですし、もちろんマネタイズも全然できないですよね。しかもそういう結果のなかなか出ない期間が比較的長く続く気がします。
そのような期間を乗り越えられるかどうかは、コンテンツ作りを楽しめているかどうかにかかっていると思います。マネタイズ目的だと、マネタイズできない時期が地獄のように苦しいですよね。(笑)
サイトを立ち上げること自体にも時間がかかりますよね。「DRACO」をリリースするのに、比較的時間はかかりましたか?
角:はい。実装のために技術を習得する時間も必要でしたからね。
吉川:そうですよね。やはり、勉強しながら作り上げていく感じでしたか?
角:結果的にはそうなりましたね。自分が必要だと思った機能を実装しようとするたびにインプットが必要になりましたから。
吉川:そうですよね。自分の作りたいものを作りながら新しい技術を得るって、とても良い方法だと思うなぁ。
角:だから、Webについて学びたい人は自分でサイトを運営してみるといいと思うんですよ。色々な仕事を網羅的に経験できるじゃないですか。企画して、デザインして、HTML組んで、アクセス解析して、広告を出稿してみたりとかして。
吉川:そうですね。同感です。
角:上記の過程全てをまんべんなく勉強しておけば、ディレクターとしては、仕事でどのフェーズにおいて問題が生じても最低限の対処は自分でできる(コミュニケーションがとれる)と思います。まんべんなく広い範囲の知識を持っているということも、ディレクターに必要な能力ですよね。
吉川:なるほど。
角:だから、同じ非エンジニアの新入社員でも、たとえばブログを自分でインストールするくらいからでも、一通りの経験をしていることはその後で差が出やすいかなと感じてます。
吉川:一通りの経験は本当にそうですね。「Boy.」ではないところでも0からメディアの立ち上げを任せていただいたことがあるんですけど、もう本当に大変でした。
CMSにWordPressを選んで、テンプレートデザインをカスタマイズしていこうと思ったら、PHPが全く読めなくて。「えっ、何なになにこれ?」みたいな感じになって。(笑)プログラミングの勉強って本当に最初が鬼門ですよね。
角:最初は本当に大変ですよね~。それこそ初めてPHPを案件で使うことになった時に、適切な改行のしかたからわからなかったですもの。
吉川:初心者にとっては、自分の知らない知識を検索ワード化できなかったりして、正しい調べ方がわからないっていう苦労もありますよね。
角:でも勉強していくと、調べ方も上手になりますよね。疑問に対してより直接的な単語で検索をかけたりできるようになりますからね。
よく言われてます、やっぱり自分の好きなようにWebサイトを作るっていうのは、プログラミングの勉強を始めるきっかけの1つとして、いい手段なのではないかなと思います。
吉川:そうですね。すごく共感できます。仕事以外で、何かおすすめの学習手段はありますか?
角:そうですねぇ。今は無料の学習サイトが色々あるので、そういうもので十分勉強できるんじゃないかなと思います。特に、動画学習とかはいいですね。
僕は「●●を作ってみよう」「△△な機能を実装してみよう」みたいな、完成品を作る過程で知識を学べる問題集を使っていました。
プログラミングの勉強って、実装したいと思った機能を自分で実現できるので、面白いですよね。楽しかったので、土日はほとんどの時間をそれに費やしていました。
それこそデータベースの使い方とか、ログイン機能の実装とか、Webサイトのクローリングとか、そういう「よく聞くけど仕組みがわからない」っていう部分を体系的に学びたい時には、書籍の参考書がいいですよ。
吉川:Webで検索すると、個別で知識は補えるかもしれないですけど、体系的に学ぶことは難しいですよね。その知識を使いこなすのに必要な前提知識とかまでは見えてこなかったりして、非効率なことがよくあります。
角:あ?そうそうそう!(笑)前提知識への説明は全くない状態で、説明が始まったりしますよね。
角さんは、技術向上のコツは「何かを作ること」と再三おっしゃっていました。
やはり「勉強すること」自体が目的になってしまっている勉強は長続きしないなぁと。
何事も目標物みたいなものを作ることですね。あとは、モチベーションを刺激しあえる仲間でしょうか。
「愛される人、愛せるチームと一緒に目標に向かって頑張ること」
吉川:勉強の話とも関連するのですが、角さんの立場から、学生時代にやっておいて良かったなと思うこと、今役立っているなと思う考え方とかはありますか?
角:自分の経験から言うと、「チャンスがあったら、乗れ」「やるかやらないか迷ったら、やれ」ってことですね。今までの人生でも、やらなくて後悔してしまったことはいくつかあるんですよ。
チャンスはあったのに、行動力がなかったが故にそれを逃してしまったという後悔はずっと残ってしまうんですよね。
だから、とりあえず失敗しても。
あとは、「モノを作りたいなら、手を動かせ」っていうことですね。めちゃくちゃ時間をかけて念入りに1個の作品を作った人と、考える時間はそれなりでも手探りながら10個の作品を作った人だと、往々にして後者の側のほうが技術力はつくんじゃないかなと思うんです。
いいモノを作りたい人には、コンスタントに手を動かしてアウトプットを続けてほしいですね。
吉川:モノを作っていて(DRACOを運営していて)、モチベーションが下がってしまうこととかはないですか?
角:そうですね、大きくモチベーションが下がったことは、1回ありました。Googleの仕様変更があったせいで検索からの流入が激減してしまったことがあって、「もう運営していても苦労するだけなんじゃないかな」なんて。(笑)
吉川:そうなんですね。その時期は、どうやって乗り越えたんですか?
角:1人でやっていれば、そういう時期は必ず訪れますよね。DRACOをチームで運営していくつもりは特にないですけど、同じことをやっている人と話をしたりする機会は欲しいなと思います。
吉川:確かに、DRACOの運営自体は1人でやるにしても、同じようにWebを立ち上げたり運営したりしている人たちから刺激を受ける機会だったりは貴重ですよね。
角:そうですね。「こんなことをしたらうまくいったよ~」っていう話とかね。それこそ吉川さんとメディア運営の近況を語り合っているだけでも楽しくてモチベーション上がりますよ。
吉川:話しましょう。(笑)
角:そういう意味では、同じ志をもった仲間との繋がりは、学生時代も大切にしてほしいですね。愛される人、愛せるチームと一緒に目標に向かって頑張ることがWebの世界でも最も幸せなことの1つなんだと思います。
今Web業界にいる人たちって、「Webが好きな人」が多いと思います。今のWeb業界はまだ、昔インターネット業界がそうだったように、「お金を稼ぎたい」よりも「自分の好きなことを仕事にしたい」と思って志望する人が多い段階だと思うんです。だから、彼らと考えを交換し合うことや目標達成のために共に努力することは本当に楽しいですよね。
この後、メディア運営の苦労ややりがいについて10分程度お話しました。(笑)
学生時代に、夢に向かっている人たちとの繋がりをもてることは非常に有意義なことだと思いますね。
もちろんいろんなタイプの付き合い方がありますが、やっぱり何か目標をもって頑張っている人との話は面白い。
「愛される人、愛せるチームと一緒に目標に向かって頑張ること」
いいですね、じわじわ響いてきて、本当に好きです。
角さん、ありがとうございました!